LinuxとRTOSの共存ソリューション

 μC3(マイクロ・シー・キューブ)+Linuxは、マルチコアCPUにLinuxとRTOSを共存させ、OS間の通信を可能にするソリューションです。リアルタイム性能などのLinuxが抱える弱点をμC3の導入により解消。さらに、Linuxが有する豊富なソフトウェア資産を活用することで、高度なアプリケーションの短期間開発を実現できます。RTOSとLinuxの通信は、OpenAMPのRPMsgにより実現されます。

μC3+Linuxの特長

マルチコアCPUに対応

 ホモジニアス(同一プロセッサ・コアによる構成)とヘテロジニアス(異なるプロセッサ・コアによる構成)の両方に対応。

メーカー提供のLinuxディストリビューションに対応

 CPUベンダーが標準サポートするLinuxに対応。アプリケーション開発を迅速化。

OS間通信をサポート

 Multicore Associationによって標準化されたOpenAMPの仕様を採用。メッセージ形式のAPI(RPMsg)を使って、OS間の通信を簡単に実現。

RTOSによる高速ブート

 μC3を先に起動することで高速起動が可能。

μC3・LinuxのOS間通信をサポート

 それぞれのOSが利用するCPUコアを任意に設定でき、OS間の通信はメッセージ形式で行えます。

Case1: クアッドコアのCPU

 3つのコアをLinuxで使用し、μC3を単一コアで動作させることができます。

Case2: 異なったCPUコア(ヘテロジニアス)でも利用可能

 LinuxをSMP型の2コア、μC3をAMP型の2コア(μC3が必要です)で利用することができます。

主なAPI

機能 API名 機能
送信 rpmsg_send メッセージ送信
rpmsg_sendto メッセージ送信(送信先アドレス指定)
rpmsg_send_offchannel メッセージ送信(送信元・送信先アドレス指定)
rpmsg_trysend メッセージ送信(ポーリング)
rpmsg_trysendto メッセージ送信(ポーリング・送信先アドレス指定)
rpmsg_trysend_offchannel メッセージ送信(ポーリング・送信元・送信先アドレス指定)
rpmsg_get_buffer_size 送信可能バッファサイズの取得
エンドポイントの追加・削除 rpmsg_create_ept エンドポイント作成
rpmsg_destroy_ept エンドポイント削除
チャネルのコールバック rpmsg_chnl_cb_t チャネルイベントコールバック
受信コールバック rpmsg_rx_cb_t 受信イベントコールバック

対応プロセッサ

ベンダー シリーズ CPUコア 対応OS
Xilinx Zynq UltraScale+MPSoC パターン1 ▼
Arm Cortex®-A53 Linux
Arm Cortex®-R5F μC3
パターン2 ▼
Arm Cortex®-A53 Linux
μC3
Zynq-7000 Arm Cortex®-A9 Linux
μC3
Intel Cyclone V SoC Arm Cortex®-A9 Linux
μC3
Arria V SoC Linux
μC3
Arria 10 SoC Linux
μC3
Renesas RZ/G1E Arm Cortex®-A7 Linux
μC3
RZ/G2E Arm Cortex®-A53 Linux
μC3
RZ/G2M Arm Cortex®-A57/A53 Linux
Arm Cortex®-R7 μC3
RZ/G2N Arm Cortex®-A57 Linux
Arm Cortex®-R7 μC3
RZ/G2H Arm Cortex®-A57/A53 Linux
Arm Cortex®-R7 μC3
NXP i.MX 6Dual/Quad Arm Cortex®-A9 Linux
μC3
i.MX 7Dual Arm Cortex®-A7 Linux
Arm Cortex®-M4 μC3
i.MX 8M Mini/Quad/Plus Arm Cortex®-A53 Linux
Arm Cortex®-M4 μC3
STMicroelectronics STM32MP1 Arm Cortex®-A7 Linux
Arm Cortex®-M4 μC3
TI AM64x パターン1 ▼
Arm Cortex®-A53 Linux
Arm Cortex®-R5 μC3
パターン2 ▼
Arm Cortex®-A53 Linux
μC3
AM65x Arm Cortex®-A53 Linux
Arm Cortex®-R5 μC3

※対応表は2022年11月現在のものです。また、上記には対応作業中のCPUも含まれます。
※LinuxはLinus Torvalds氏の日本およびその他の国における登録商標または商標です。
※記載されている会社名・製品名は各社の登録商標または商標です。

こちらに記載のないCPUシリーズやご不明点はお問い合わせください。

対応Linux

ベンダー ディストリビューション
Xilinx PetaLinux
Intel Angstrom Linux Distribution
Renesas RZ/G Verified Linux Package(CIP)
NXP Enbedded Linux for i.MX Applications Processors
STMicroelectronics OpenSTLinux
TI PROCESSOR-SDK-Linux

RTOSとLinux共存のOSユースケース

GUIの高機能化に活用 医療機器メーカー様・計測器メーカー様

UIはLinuxのソフトウェア資産 + μC3で機器を制御

GUIの高機能化とリアルタイム性能を両立

機器のIoT化に活用 産業機器メーカー様

機器内部の通信はμC3制御の産業用Ethernet、外部との通信にLinux制御のEhernetを使用

ネットワークへの対応を実現

RTOSによる高速ブート

Linux:コア0 μC3:コア1の場合

※デバイスによって起動方法が異なります。詳細はお問い合わせください。

資料のダウンロード

価格とライセンス

製品の価格、ライセンス情報は「プロダクトガイド」の21-22ページを参照ください。下記ダウンロードページから入手可能です。

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