μC3/Compact導入により、幅広いCPUの選択肢を提供-CC Link IE TSN(三菱電機株式会社様 採用事例)

三菱電機株式会社 名古屋製作所

FAシステム第二部
FAリモートI/Oユニット開発課
栂野 健太郎様
原川 翼様

営業部 コントローラ課
松行 育人様
小池 望実様

導入したお客様製品:産業用ネットワーク「CC-Link IE TSN」のリモート局用SDK
購入した弊社製品 :μC3/Compact
CPU       :STM32F4

「国内RTOSベンダー随一のCPUサポートが決め手」

CC-Link IEは、2007年に、CC-Link協会によって開発された統合ネットワークです。業界初の1GbpsのEthernetをベースとしています。2018年11月にはCC-Link IEの次世代を担うネットワークとして「CC-Link IE TSN」の仕様が公開され、スマート工場の構築がさらに加速すると期待されています。三菱電機は、CC-Link IE TSN対応のリモート機器を容易に開発するための開発環境として、CC-Link IE TSNリモート局用ソフトウェア開発キット(SDK)を提供しています。
CC-Link IE TSNリモート局用SDKは、ソフトウェアプロトコルスタックとリファレンスマニュアルが収録されており、推奨環境は下記の通りです。

RTOS、マイコン、統合開発環境の推奨環境は、次の通りです。

RTOS eForce社製「μC3」
マイコン STマイクロ社「STM32F4」
統合開発環境 IAR社製「Embedded Workbench for ARM」

出典:CC-Link IE

CC-Link IE TSNの詳細は、下記をご覧ください。

CC-Link IE TSN

この度、SDKの推奨環境としてμC3/Compactを採用いただくまでの経緯や期待される効果について、選定に関わった皆様にお話を伺いました。

μC3/Compact導入のポイント

μC3/Compact導入前の課題

  • エンドユーザーにネットワークとしてCC-Link IE TSNを採用いただきたい
  • リモート機器を開発するメーカーにCC-Link IE TSN対応機器を開発いただきたい
  • CC-Link IE Fieldでは使用できるCPUが限られていた
  • そのために汎用的なSDKの開発がしたい
  • CPUサポート数が多いRTOSを採用したい

μC3/Compactに期待される効果

  • μC3/Compactの導入により、様々なハードウェアでCC-Link IE TSN対応機器の開発が可能となる
  • 機器開発メーカーの開発が容易になる

μC3/Compactの導入による開発時の効果

  • 技術サポートの問い合わせ時に翌日には回答があった
  • RTOS起因の不具合ゼロ

μC3/Compact導入前の課題

汎用的なSDKの開発が一番の課題

イー・フォース 野田

――当初、どのような課題がありましたか?

三菱電機 栂野様

SDKの開発は今回初めてでした。SDKを開発した一番の目的が、多くの機器メ―カーにCC-Link IE TSN対応機器を開発いただき、エンドユーザーが選択しやすいネットワークにすることです。そのためには、機器メーカーに採用していただけるよう、いかにSDKを汎用的なものにできるか、というのが一番の課題でした。機器メーカー様がSDKを採用するための開発ハードルを下げる必要があったのです。

この課題を解決するためには、 SDKの推奨開発環境として採用するマイコンのコアは出来る限り汎用的なものが良いと考え、Armを選択しました。また、ローエンドのリモート機器でも動作可能なソフトウェアにできるよう、Cortex-M4コアを候補とし、その中でもマーケットシェアが高いSTM32F4を選択しました。
この時STマイクロ社、IAR社にも声をかけていたところ、SDKを汎用的なものにするという観点で、イー・フォースのμC3/Compactを提案されました。

豊富なCPUサポートが決め手

――μC3/Compact導入に至った決め手を教えてください。

μC3/Compactを採用した理由はいくつかありますが、最大の決め手はCPUサポートが豊富であることです。CPUサポートが豊富なμC3/Compactであれば、ユーザーが異なるマイコンを使っていたとしても、HWの差分をμC3/Compactが吸収してくれます。また、新しいCPUへの対応もいち早く行っているのも決め手の一つです。

元々社内にμITRONの経験があっただけでなく、他の部署でもイー・フォース社製品の導入実績があったこともあり、μC3を選択しました。

ウェブサイトからすぐに評価版を入手できた点が便利

――その他に決め手になった点はありますか?

ウェブサイトに無償評価版が公開されていた点が便利でした。その場でダウンロードしてすぐに試せるというのは、検討する側にとって嬉しいです。STM32F4向けの無償評価版を入手して、評価ボードで試しました。

ポイント
  • いかにSDKを汎用的なものにできるか、というのが一番の課題
  • μC3/Compact導入の決め手はCPUサポートが豊富であること
  • ユーザーが異なるマイコンを使っていたとしても、μC3/CompactがHWの差分を吸収できる
  • 新しいCPUへの対応もいち早く行っているのも決め手
  • ウェブサイトにμC3/Compact無償評価版が公開されていた点が便利

μC3/Compact導入後の効果

ユーザーにとってRTOSがあったほうが制御しやすくなる

――導入後の効果はいかがですか?

従来のネットワーク向けの開発キットでは、専用ASIC向けのサンプルプログラムとしてRTOSレスのプログラムを公開していました。
ただし本製品は通信ミドルウェアであるため、割り込みだけで実現するとユーザーがアプリケーション開発する際のチューニングが難しくなります。やはりRTOSを採用した方がアプリケーション開発に集中でき、ユーザーにとって大きなメリットになると思います。

技術サポートにも満足、RTOS起因の不具合もゼロ

――弊社のサポート体制については、いかがでしたか?

我々の開発時に感じたメリットとしては、技術サポートが便利でした。メールで質問をした際に次の日には回答をいただいており、とても早いと感じました。

また、開発中に発生したソフトウェア不具合を調査した際には、RTOS起因の不具合がゼロだったのも非常に良かったです。RTOS選定時に期待していたとおり、μC3/Compactを採用して正解でした。

ポイント
  • RTOSを採用した方がアプリケーション開発に集中できるため、ユーザーにとって大きなメリットとなる
  • メールで質問をした際に次の日には回答があったため、とても早いと感じた
  • RTOS起因の不具合がゼロ

まとめ

導入前の課題 導入後の効果
  • CC-Link IE Fieldでは、使用できるチップが限られており、汎用CPUでの開発ができなかった。
  • CC-Link IE TSNでは汎用的なCPU上で動作するSDKを開発する必要があった
  • μC3/Compactの導入により、様々なCPUに対応した開発が可能になった。 これにより、多くのハードウェアでCC-Link IE TSN対応機器の開発が容易となった

CC-Link IE TSNの詳細につきましては、下記ページをご確認くださいませ。

オープン統合ネットワーク CC-Link IE TSN

資料ダウンロード

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